通話中に「声が小さくて聞こえない」「マイクが反応しない」「声が途切れる」といった問題に悩んでいませんか?
これらの問題のほとんどは入力感度の調整を適切に行うことで解決できます。
この記事では、入力感度の基本から応用まで、初心者の方でも設定できるように詳しく解説します。
PC版・スマホ版両方に対応した最新の方法をマスターして、快適な音声通話を実現しましょう。
入力感度とは?音声通話を快適にする基本設定
入力感度は、マイクがどの程度の音量で反応するかを決める重要な設定です。
適切に調整することで、クリアで聞き取りやすい音声通話が可能になります。
入力感度の仕組みと重要性
入力感度とは、簡単に言えば「マイクが音を拾い始める音量のしきい値」のことです。
この設定値より大きな音が入力されると、Discordはあなたの声を相手に送信します。逆に、設定値より小さな音は無視されるため、環境音やキーボードの音などのノイズをカットできます。
入力感度が適切でない場合、以下のような問題が発生します。
- 感度が高すぎる場合:環境音や呼吸音まで拾ってしまい、相手に不快な音が伝わる
- 感度が低すぎる場合:声が小さくなったり、話し始めや語尾が途切れたりする
特にゲーム配信や長時間の通話では、入力感度の設定が音声品質を大きく左右します。
自動調整と手動調整の違い
Discordには「自動調整」と「手動調整」の2つのモードがあります。それぞれの特徴を理解して、自分に合った方法を選びましょう。
自動調整モードは、アプリが自動的に最適な感度レベルを判断してくれる機能です。環境音のレベルを検知して、あなたの声だけを拾うように調整します。初心者の方や、機器の調整に自信がない方におすすめです。ただし、環境によっては誤動作することもあるため、完璧ではありません。
手動調整モードでは、自分で入力感度のしきい値を細かく設定できます。環境や使用するマイクに応じて最適な値を見つけることで、自動調整よりも高品質な音声通話が可能になります。配信者の多くは、この手動調整を使用しています。
入力感度が原因で起こる5つの問題
通話時によくある音声トラブルの多くは、感度レベルが原因です。以下の5つの問題に心当たりがある方は、調整の見直しが必要かもしれません。
- 声が相手に聞こえない・小さい
- 感度が低すぎると、普通に話していても声が届きません。特に声が小さい方や、機器から離れて話す方に多い問題です。
- 声が途切れる・ブツブツする
- 話し始めや語尾が切れる場合、感度レベルが適切でない可能性があります。低すぎると、声の強弱によって音声が途切れます。
- 環境音やノイズが入る
- エアコンの音、キーボードの音、呼吸音などが相手に聞こえる場合、感度が高すぎます。
- 常にマイクがONになっている
- 無音時でもマイクインジケーターが反応している場合、感度レベルに問題があります。
- 相手から「聞き取りにくい」と言われる
- 音質の問題は、多くの場合感度の調整で改善できます。
入力感度の設定方法【PC版・スマホ版対応】
それでは実際の設定手順を詳しく解説します。PC版とスマホ版で操作方法が異なるため、それぞれ分けて説明します。
PC版での設定手順
PC版での手順は以下の通りです。画面を見ながら一緒に設定していきましょう。
画面左下のユーザー名の横にある歯車アイコン(⚙)をクリックします。これでユーザー設定画面が開きます。

左側のメニューから「音声・ビデオ」をクリックします。アプリ設定の中にあるので、見つからない場合はサイドバーを下にスクロールしてください。
まず「入力デバイス」の項目で、使用するマイクが正しく選択されているか確認します。複数のマイクを接続している場合は、使いたいマイクを選択してください。
「入力モード」の項目で、「音声検出」が選択されていることを確認します。その下に「入力感度を自動調整する」というチェックボックスがあります。
- 自動モードを使う場合:チェックを入れたままにします
- 手動モードを使う場合:チェックを外すと、スライダーが表示されます
「マイクテスト」のボタンをクリックして、実際に話してみましょう。自分の声が正しく認識されているか確認できます。
スマホ版(iOS/Android)での設定手順
スマホ版Discordでも、基本的な設定方法は同じです。ただし、インターフェースが少し異なります。
画面右下のプロフィールアイコンをタップし、歯車アイコンで設定を開きます。
設定メニューから「音声」をタップします。
「入力モード」で「音声検出」を選択します。プッシュトゥトークではなく、音声検出を使うことで入力感度の設定が可能になります。
「入力感度の自動調整」のスイッチで、自動/手動を切り替えます。手動の場合は、スライダーで調整します。
スマホ版では自動的に設定が保存されるため、設定後は前の画面に戻るだけでOKです。
最適値を見つける方法
最適な値は、使用環境やマイクによって異なります。以下の方法で、あなたに最適なレベルを見つけましょう。
- まず、スライダーを中央付近(-50dB程度)に設定します
- 普段の話し声で話しながら、徐々に値を調整します
- 話している時だけインジケーターが反応し、無音時は反応しない位置を探します
- 見つけたら、その位置から少しだけレベルを上げて余裕を持たせます
環境音が多い場所ではレベルを下げ、静かな場所ではレベルを上げるのが基本です。
また、機器との距離も重要で、口元から10-15cm程度の距離を保つと最も良い結果が得られます。
マイクテストで確認するポイント
マイクテスト機能を使って、以下のポイントを確認しましょう:
- 通常の話し声で反応するか
- 普段の声量で話して、しっかりと音声が認識されるか確認します。
- 小声でも途切れないか
- 少し小さな声で話しても、音声が途切れないか確認します。
- 環境音を拾わないか
- 無音時にインジケーターが反応しないか、キーボードを打っても反応しないか確認します。
- 音質は適切か
- 録音された自分の声を聞いて、音質に問題がないか確認します。
自動調整をONにするメリットと設定方法
自動調整機能は、初心者にとって非常に便利な機能です。この機能のメリットと正しい使い方を解説します。
自動調整機能の仕組みと効果
自動調整機能は、アプリが環境音のレベルを常に監視し、あなたの声だけを検出できるように感度を自動的に調整する機能です。
この機能の仕組みは以下の通りです。
- 環境音のベースラインを検出
- そのレベルより一定以上大きな音(あなたの声)だけを検出
- 環境が変わると自動的に再調整
自動調整の最大のメリットは、環境が変わっても設定を変更する必要がないことです。
例えば、昼間と夜間で環境音のレベルが変わる場合や、エアコンのON/OFFで音環境が変わる場合でも、自動的に最適な感度に調整されます。
自動調整をONにする手順
自動調整をONにする手順は簡単です。
- 設定の「音声・ビデオ」を開く
- 「自動調整します」にチェックを入れる
- マイクテストで動作を確認する
ただし、自動調整にも限界があります。
極端に騒がしい環境や、マイクの品質が低い場合は、手動調整の方が良い結果を得られることもあります。
声が小さい・途切れる時の調整テクニック
通話で最も多い悩みが「声が小さい」「声が途切れる」という問題です。これらの問題を解決する具体的なテクニックを紹介します。
声が小さい時の対処法5選
声が小さいと言われる場合、以下の5つの対処法を順番に試してください。
- 感度を上げる(手動モード)
- 手動モードで、スライダーを左側に移動させます。-60dB~-40dB程度が目安です。
- 入力音量を上げる
- 「音声・ビデオ」画面の「入力音量」スライダーを右に移動させて、全体的な音量を上げます。ただし、上げすぎると音が割れるので注意が必要です。
- マイクブーストを有効にする(Windows)
- Windowsのサウンド設定で、マイクのプロパティを開き、「レベル」タブでマイクブーストを+10dB程度に設定します。
- マイクの位置を調整
- マイクを口元に近づけます。理想的な距離は10~15cmです。ヘッドセットの場合は、マイクが口の横に来るように調整します。
- ノイズ抑制を設定しないに変更
- ノイズ抑制が強すぎると声も一緒にカットされることがあります。「設定しない」に変更してみましょう。
声が途切れる・ブツブツする時の解決策
声が途切れる問題は、感度レベルが適切でないことが主な原因です。以下の方法で改善できます。
- 入力感度の自動調整をオフにする
- 普通に話しながら、インジケーターの反応を確認
- 話している最中に途切れる場合は、レベルを少し上げる
- 語尾が切れる場合は、さらにレベルを上げる
- ノイズが入り始めたら、そこから少し下げて最適値を見つける
また、ネットワークの問題で声が途切れることもあります。その場合は、ビットレートを下げることで改善される場合があります。サーバー設定でビットレートを64kbps程度に設定してみてください。
マイクの位置と感度の関係
マイクの位置は、感度レベルと密接な関係があります。適切な位置に機器を配置することで、調整も楽になります。
- 距離:口元から10-15cm(拳1つ分程度)
- 角度:口の正面または斜め45度
- 高さ:口と同じ高さか、少し下
機器が遠すぎると、レベルを上げても声が小さくなり、環境音も拾いやすくなります。
逆に近すぎると、呼吸音や破裂音(パ行など)が大きくなりすぎます。
ヘッドセットを使用している場合は、マイクが口の横に来るように調整し、息が直接当たらない位置に固定します。
スタンドマイクの場合は、ポップガードの使用も検討しましょう。
【配信環境向け】最強の音声設定まとめ
現在、通話アプリの音声機能は以前よりも高機能になっています。多くの配信者が実際に使用している、最新の推奨設定を紹介します。
配信者向けの高音質設定
ライブ配信を行う方向けの、より高音質な設定を紹介します
- 入力感度:-50dB~-45dB
- ノイズ抑制:スタンダード または なし
- エコー除去:ON(ヘッドホン使用時はOFF可)
- 音量調節の自動化:OFF
配信者の場合、Discord側であまり音声処理をかけすぎると、配信ソフト側の処理と干渉することがあります。そのため、最小限の処理に留めて、詳細な音声処理は配信ソフト側で行うのがおすすめです。
配信ソフト(OBS)のフィルタを利用して、高音質に調整することもできます。
配信の音にも気を使いたいときは下記の記事もご覧ください。

ノイズ抑制とエコー除去の使い方
ノイズ抑制とエコー除去は、適切に使えば音質を大幅に向上させることができます。
- Krisp
- 環境音や雑音が多いときにおすすめ。環境によってはマイク音がカットされすぎるときもあるので注意。
- スタンダード
- ノイズを抑えてくれる基本的な設定。ノイズカットはKrispよりも控えめ。
- なし
- ノイズかっとなし。高品質機器使用時や防音環境のときはこの設定でもOK。
ノイズ抑制を強くしすぎると、声の一部も一緒にカットされて不自然になることがあります。
まずは「スタンダード」から始めて、必要に応じて調整しましょう。
ヘッドホンやイヤホンを使用している場合は、エコー除去をOFFにしても問題ありません。
よくあるトラブルと解決方法
Discord使用時によくあるトラブルと、その解決方法をまとめました。多くの問題は、適切な設定で解決できます。
マイクが反応しない・認識しない時の対処法
マイクがまったく反応しない場合は、以下の手順で問題を特定し、解決しましょう。
- 基本的な確認事項
- マイクが正しく接続されているか
- マイクのミュートスイッチがOFFになっていないか
- Discordでミュート状態になっていないか
- Windows/Macの設定確認
- システム設定でマイクが認識されているか
- マイクのアクセス権限が許可されているか
- 既定のデバイスとして設定されているか
- Discord側の確認
- 正しい入力デバイスが選択されているか
- 入力音量が0になっていないか
- 音声設定をリセットしてみる
- ドライバーとソフトウェア
- マイクドライバーを最新版に更新
- Discordを最新版にアップデート
- PCを再起動
これらを試しても解決しない場合は、マイク自体の故障の可能性もあります。
別のアプリケーションでマイクが動作するか確認してください。
入力デバイスの確認と切り替え方法
複数のマイクやオーディオデバイスを使用している場合、正しいデバイスが選択されているか確認が必要です。
デバイスの確認方法
- Discord設定の「音声・ビデオ」を開く
- 「入力デバイス」のドロップダウンメニューを確認
- 使用したいマイクが選択されているか確認
- 「Default」ではなく、具体的なデバイス名を選択
デバイスが表示されない場合
- Windowsのサウンド設定で無効になっていないか確認
- USBマイクの場合は、別のUSBポートに接続してみる
- Bluetooth機器の場合は、ペアリングをやり直す
Discordの再起動とアップデートで解決
多くの音声トラブルは、Discordの再起動やアップデートで解決します。
完全な再起動の方法
- Discordを通常通り終了
- タスクマネージャーでDiscordのプロセスが残っていないか確認
- 残っている場合は強制終了
- Discordを再起動
アップデートの確認
- PC版:起動時に自動的にアップデートを確認
- スマホ版:アプリストアで手動確認
アップデート後は、音声設定が初期化されることがあるので、再度確認が必要です。
Windows/Mac別の音声設定確認方法
OSレベルでの音声設定も、Discordの動作に影響します。
Windows 10/11の確認方法
- 設定 → システム → サウンド
- 入力デバイスでマイクを選択
- デバイスのプロパティで音量を確認
- 「アプリがマイクにアクセスできるようにする」がONか確認
macOSの確認方法
- システム環境設定 → サウンド → 入力
- 使用するマイクを選択
- 入力音量を確認
- セキュリティとプライバシーでDiscordにマイクアクセスを許可
これらの設定が正しくても問題が解決しない場合は、オーディオドライバーの再インストールを検討してください。
まとめ:快適なDiscord通話のための入力感度設定
Discord入力感度の適切な設定は、快適な音声通話の基本です。
最適な設定は人それぞれ異なります。この記事を参考に、あなたの環境に最適な設定を見つけてください。Discord通話がより快適になれば、ゲームも配信も、友達との会話も、もっと楽しくなるはずです。
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