3Dアバターを動かせるソフト『3tene』の使い方を解説します。
フェイストラッキングやカメラアングルの設定の仕方、仮想カメラを使ったOBSの設定など詳しく説明します。
3teneでできること
3teneは3Dアバターを自由に動かせるソフトウェアです。
自分でパラメータを設定できるだけでなく、カメラを使ってアバターに自分の動きを反映させることができます。
3teneには下記のような特徴があります。
- WindowsでもMacでも使える
- 無料から使える3Dアバターソフト
- 表情やカメラアングルをショートカットキーに設定できる
- VR対応の『3tene Pro』(有料)もある
WindowsでもMacでも使える
WindowsだけでなくMacでも使用可能です。
ですので、Macユーザのなかには3teneを使ってVTuber活動をしている方も大勢います。
無料から使える3Dアバターソフト
3teneは無料から使えるソフトです。
Live2Dであれば無料のものもたくさんありますが、3Dは少ないので重宝されます。
表情やカメラアングルをショートカットキーに設定できる
『VRoid Studio』などの外部アバター制作ソフトと組み合わせることで、簡単にアバターの表情やポーズを作成できるのですが、表情・ポーズ・エフェクト・カメラアングルなど様々なパラメータを、PCのショートカットキーに設定できます。
動画制作やライブ配信活動に活かせる特徴です。
VR対応の『3tene Pro』(有料)もある
3teneには、無料版の『3tene Free』、有料版の『3tene Pro』『3tene Studio』の3種類があります。
無料版ではフェイストラッキングしかできませんが、有料版にすると全身のトラッキングを高性能で行うことができます。
ここからは、無料版と有料版の違いについて、詳しく説明していきます。
3teneの無料版と有料版の違い
3teneには、無料版と有料版が3種類提供されています。
- 3teneFree(無料)
- 3tenePro(有料)
- 3teneSTUDIO(有料)
それぞれの違いを見ていきましょう。
3teneFreeでできること
『3tene Free』は無料で使え、3Dアバターを動かす基本的な機能が備わっています。3Dアバターに興味を持ったならば、まずは試してみると良いでしょう。
- フェイストラッキング・リップシンク機能
- LeapMotionによる指・腕のトラッキング機能
- 様々な表情やポーズ
- 帽子や持ち物などのアイテム追加
- カメラアングル変更
搭載しているのは上記の機能。
Webカメラを使い、顔の動きや唇の動きを読み取ることを基本とし、別途LeapMotionと呼ばれる機材を用意することで指や腕の動きも反映できます。
そのほかには、ソフト内に入っている表情やポーズを設定したり、アイテムを追加することで、様々なアングル・シチュエーションの画像制作や動画制作を行うことが可能となります。
この記事では、『3tene Free』の操作について取り扱います。
詳しく解説するので、この記事をもとに使ってみてください。
3tenePROでできること
有料版の『3tene Pro』は、3tene Freeの上位モデルです。
追加の機能として、下記のようなものがあります。
- 4K対応の高解像度出力
- 外部アプリを使った全身のトラッキング
- パーフェクトシンクを使った表情の高精度トラッキング
- Webカメラを使った全身トラッキング
- Live2Dに対応
3tene Proは、より3Dアバターの強みを活かすためのトラッキング機能を追加したモデルです。
外部のトラッキング機材やアプリを使い、全身のトラッキングから、部屋を歩き回る様子をアバターに反映できるようになります。
よくVTuberが配信している「3D配信」と聞けばイメージがつきやすい方も多いでしょう。
また、iPhoneX以降に搭載されている「ARKit」という機能を使えば、「パーフェクトシンク」つまり笑ったり驚いたりする細かな表情を読み取ることができます。
Webカメラを使った3tene単体での、全身トラッキングもできるという点もポイントです。
最後に、Live2Dアバターにも対応しています。VTuberのなかには、2Dと3Dのモデルを両方持っている方もいるかと思うので、一つのソフトで完結できるのは大きいです。
3teneSTUDIOでできること
『3tene STUDIO』は3tene Proの全機能に加えて、細かなモーションキャプチャに対応した最上位モデルです。
PCとアバター、PerceptionNeuron(全身に小型センサーを多数取り付け動きを読み取る機材)があれば、より人間らしい動きを反映できます。
用途としては、下記のものが想定されています。
- アバターを使ったプロモーション映像を作る
- VTuberの音楽ライブを行う
企業向けのプランもあり、超本格的なVTuber活動に使うものです。
3teneを使うのに必要な機材とツール
『3tene Free』の全ての機能を使うのに必要な機材をまとめます。
準備の参考にしてください。
Webカメラ
顔の動き(フェイストラッキング)や口の動き(リップシンク)をアバターに反映させるには、カメラが必要です。
PCにあらかじめカメラがついている場合は問題ないですが、ないならばWebカメラを別途準備しましょう。
まず紹介するのは、logicool製のWebカメラ「C920n」です。
- 解像度:1080p
- フレーム:30fps
- 自動フォーカス
- 自動光調整
「1080p、30fps」と高画質のwebカメラで、多少部屋が暗くても認識してくれるため、VTuber活動の定番商品です。ビジネスやゲーミング製品で有名なlogicoolの商品なので、保証もしっかりしています。
VTuber用だけでなく、手元配信などの実写用にカメラを用意したいならば上位モデルの「C922n」がおすすめです。
- 解像度:720p、1080p
- フレーム:60fps(1080pのときは30fps)
- 自動フォーカス
- 自動光補正
- 三脚付き
「1080p、60fps」と高画質でなめらかに動きます。コスパを考えるならばこのカメラが最強です。C920nと同じく部屋が暗くても顔を認識してくれ、光の反射にも強い特徴があります。
マイク
口の動きを読み取るリップシンクは、カメラから行うこともできますが、マイクを使って自分の声から行うこともできます。
人は話すときに意外と口は動かないものです。ハキハキと話せる人はマイク入力も試してみると、より細かな動きを再現できるはずです。
お手軽に始めるには、USBマイクの「HyperX QuadCast S」は、広く人気があり定番の製品です。
オーディオインタフェースを別途購入する必要はないため、簡単で費用を抑えることもできます。
指向性(音を拾う範囲)を調整できたり、マイクのてっぺんにミュートボタンがついており、優しく触れるだけでオンオフを切り替えることができる機能は必見です。(とっさのくしゃみに間に合うので私もよく使っています)
もっとかわいいデザインがいい方は、少々値段は上がりますが、こちらがいいでしょう
白が基調のデザインとライティング機能が特徴です。
Vroid Studio
3teneには、デフォルトでアバターを用意されていますが、オリジナルのアバター作成機能はありません。
『VRoid Studio』は初心者でもアバターを作れるツールです。
顔や体のパーツをパラメータで設定でき、完全オリジナルのアバターを作ることができます。
もしイラストを描くのが得意ならば、衣装や髪などのテクスチャを描いて反映させることも可能です。
ただ、テクスチャを描けなくても、『Booth』などの外部サイトで配布・販売されているため、初心者でも好みのアバターに仕上げることができます。
3teneのインストール方法
3tene Freeには、3つのバージョンがあります。
- Windows版
- Steam版
- MacOS版
Steamとは、PCゲームやソフトを配信しているマーケットのことです。ゲームを普段する方には、なじみ深いかと思います。
「Windows版 or Steam版」「Mac版 or Steam版」の選択肢がありますが、基本的に自分の使っているOSのバージョンを選んでおけば間違いないでしょう。
この記事では、Windows版を使って説明しますが、操作に違いはありません。
インストールは下記の公式サイトから行えます。
VRoid Studioでアバターを作る
3Dアバターを無料で作れる『VRoid Studio』では、サンプルモデルがいくつか用意されています。
サンプルモデルをそのまま使ってもいいですし、自身で作ることも可能です。
顔や体のパーツを選択し、それぞれをパラメータで変更できます。
テクスチャをインポートすることで、服装や細かな髪色の変更もできます。
テクスチャは自身で描いてもよいですが、『Booth』で無料配布・販売されているものを使うのが簡単です。
Booth内で「VRoidの特集」が日常的に組まれるほど人気のあるコンテンツなので、販売されている総数も多く、あらゆるファッションを楽しむことができます。
3teneの使い方
ここからは『3tene Free』の使い方を説明します。
基本的な機能の紹介と、うまくいかないときの対処法をまとめるので参考にしてください。
アバターの選択
アバターを選択するには、下記の2種類の方法があります。
- ファイルを追加
- VRoid Hubとの連携
VRoid Studioを使ってアバターを作成した方は、VRoidHubを使うのが便利です。
『VRoid Hub』とは、アバター情報をネット上に保存しておけるサービスで、VRoidStudioのソフト内から保存することができます。衣装の変更などのアバターの編集をすぐに反映できるので、使っておいて損はありません。
フェイストラッキング(カメラ)の設定
WebカメラをPCに接続したら、3teneで認識されているか確認しましょう。
右のサイドバーの「アバター調整」から使うWebカメラを選択できます。
また、「顔」の設定からフェイストラッキングの感度を調整できるため、動作に違和感がある場合は設定してください。
画面右上の「トラッキングを開始」のうち、「フェイストラッキング」を開始にすれば、自分の動きに合わせてアバターが動くようになります。
また、リップシンクを開始にすると、口の動きも反映してくれます。
リップシンク(マイク・録音)の設定
リップシンクを行うには、前述のWebカメラで行う方法のほかに、音声入力から行う方法もあります。
「アバター調整」から、リップシンクの種類を「音声(録音)」を選択します。
「リップシンクの音声入力」をマイクに設定すれば、自分の話している声に合わせてアバターの口を動かすことが可能です。ライブ配信を行う時はこの設定にするとよいでしょう。
ただし、3teneに録音機能はないため、動画作成の場合には向きません。
動画を作る際は、別途録画ソフトを使って音声も同時にとるか、あらかじめ音声を録音し、「リップシンクの音声入力」にオーディオミキサーを選択→音声を流す、ことでアバターを動かすこともできます。
カメラアングルの調整方法
アバターの配置を変更したいときの方法です。
画面右側にある、二つの矢印を使用します。
十字の矢印を選択するとアバターの移動ができ、もう一方の右の矢印を選択するとアバターの回転ができます。
いずれかの矢印を選択し、右クリックを押しながらアバターを動かしてみてください。
背景の設定
画面左側の画像マークより、背景を変更できます。
グリーンバックを選択することもできますし、用意した画像を適用することもできます。
ショートカットの設定
左側の3つのボタンは上から、「表情」「ポーズ」「エフェクト」を設定できるものです。
それぞれ選択することで用意されている動きをしてくれ、ショートカットを設定することもできます。
よく使うものは「ショートカットを開く」からPCのキーに割り当てておくと作業が楽になります。
仮想カメラで3teneをOBSに表示する
VTuber活動をするときは、3teneを配信ソフト『OBS』に表示させることになります。
ほかのVTuberソフトであれば、「ウインドウキャプチャ」を使うことが主流かと思いますが、3teneでは仮想カメラを使うことをおすすめします。
「映像キャプチャデバイス」を選択し、「3tene Screen Capture」を設定しましょう。
映像キャプチャをすると、背景とアバター以外のUIは表示されません。
表情を変えたいときに表示されるウインドウを隠せるので、おすすめの方法です。
また、3teneには、ウェブカメラの映像を表示する機能もあります。誤操作で顔バレをしてしまう可能性もあるため、なるべく仮想カメラを使いましょう!!
もし、「3tene Screen Capture」がないという方は公式の記事を参考に設定してみてください。
わたしの場合は、「3tene Screen Capture」をアンインストールしたのち、インストールすると表示されるようになりました。
他の方法でVTuberになるには
3Dアバターを使うには3teneは素晴らしいソフトです。
ただ、この記事を見ている人の中には、2Dか3Dか迷っている方や、Live2Dも使いたい方も多いかと思います。
下記の記事では、ほかのソフトの使い方や、おすすめソフトを紹介しているので、ぜひご覧ください!
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