VTuberが注意すべき著作権問題!ゲーム配信・ファンアート・BGMで権利侵害しないための対策

VTuberの活動は、著作物と密接にかかわっているものです

依頼して作ってもらったキャラクターやイラスト、配信に使うBGMやゲームなどの権利について知識がないと、あなたが痛い目を見るかもしれません。

この記事では、VTuberが注意すべき著作権についてざっくりとまとめるので、ぜひ参考にしてくださいね。

目次

著作物とは…

著作権は著作物を保護するための権利です。

著作物とは、『思想または感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。』(著2条1項1条)と規定されています。

配信活動においては、BGMなどの音楽、ダンスの型(振り付け)、VTuberのキャラクターモデル、イラスト、ゲームなどが身近な著作物となります

以下で特に注意すべきこと・できる対策についてまとめていきます。

ゲーム配信について

先ほど記したようにゲームも著作物です。

ゲームの運営会社の許諾を得ないまま配信を行えば、著作権侵害となります。「みんなやってるからええやろ!」と思いがちですが、実は配信してはダメだったということもあり得ます

かつては「ゲーム運営にとっても宣伝になるから黙認する」という考えもあったかもしれません。ただ、「ゲーム運営の意図しない宣伝は求めていない」「ネタばれ防止をしたい」など違法な配信活動を取り締まる可能性もあります。

また、ゲーム運営が何も言わなくても、視聴者側から配信をとがめられ炎上につながるリスクもあります。

しっかりとリスク対策をとりましょう。

ゲーム会社・ゲームごとのガイドラインを確認しよう

まずとるべき方法は、ゲーム会社、ゲームごとに出されているガイドラインを確認することです。

たとえばMinecraft商用利用ガイドラインでは以下のように定められています。

必須要件 (ブランドおよびアセット利用ガイドラインに記載) および命名ガイドラインを遵守し、これに従う場合に、合法的な理由で Minecraft をプレイしたり使用したりしている動画やストリーミングを作成、使用、配布すること、および広告を追加したり許可したりすることでこうした動画やストリーミングからお金を稼いでも構いません。

このように必須要件・命名ガイドラインを守っていれば、商用利用をすることができます。

いまではゲーム配信もメジャーになっているので、どのゲームに関しても商用利用・配信活動のガイドラインが用意されていることが多いです。まずは検索してみましょう。

ただ、「配信も収益化もよいが、投げ銭はダメ」というものもあるので注意が必要です。

その具体例が、2022年話題にもなったFROM SOFTWARE の『エルデンリング』です。

エルデンリングの発売当初、配信タイトルに「投げ銭禁止」の文章が入っているのを目にしたことがある方もいるのではないでしょうか。

FROM SOFTWAREのガイドラインを一部まとめると以下のように書かれています。

  • YouTube やTwitchなどで投稿を収益化することはOK
  • ただ投げ銭やスパチャなど直接金銭を受け取るのはNG
  • メンバーシップなど有料会員限定の動画投稿をするのもNG
  • YouTube やTwitchなどで投稿を収益化することはOK
  • ただ投げ銭やスパチャなど直接金銭を受け取るのはNG
  • メンバーシップなど有料会員限定の動画投稿をするのもNG

ゲームタイトルごとの規約は多種多様です。しっかりと確認しましょう。

BGM・画像について

配信のBGM・効果音・写真やイラストなどの画像についても著作権があるため勝手に使ってはいけません。

ゲーム同様、利用規約に目を通す必要があります。

フリー素材を集めたサイトからダウンロードするとしても注意が必要です。

フリー素材だとしても、

  • 制作者名の明記
  • サイトのリンクを明記
  • 商用利用不可
  • 改変禁止

など、同じサイト内でも素材ごとにルールが異なる場合があるので、チェックしておきましょう。

参考までに、YouTube・Twitch配信者向けに配信で使えるBGMを配布しているサイトを紹介している記事を添付します。活用の際は規約を読むことをお忘れなく!

また、だれかにアイコンなどのイラストを依頼した場合も気を付けなければなりません。

イラスト制作を依頼した際、「著作権は譲渡しない」契約になっていれば、たとえば商品化をしたいときに許可がなければできないこととなります。

この点は以下のVTuberのキャラクター制作に通ずるものもあるので、詳しくは次の項目をご覧ください。

VTuberのキャラクターについて

VTuber活動をスタートする際に、イラストレイターさんにキャラクターデザインを依頼する方も多いかと思います。

この際、著作権は制作したイラストレイターさんに帰属し、実際のVTuberには帰属しません

ですので、好き勝手にグッズを出したりはできないどころか、ファンアートなどの二次創作も厳密には権利侵害となります。

また、ありがちな例として、キャラクターを別のイラストレイターさんにリニューアルしてもらうことも二次創作にあたるのでNGです。制作者さんに許可をとる必要があります。

なので、制作を依頼するときは事前に著作権について相談しておくことをおすすめします。

著作権を譲渡できないか相談してみるのもよいかもしれません。

著作権をVTuber自身が持つことができれば、グッズ制作を自由にできるだけでなく、ファンアートについての取り決めも自身で定めることができます。

よく大手事務所所属のVTuberがファンアートを書いてもらって、そのイラストをYouTube動画のサムネイルに使っているのを見かけたことはありませんか?

ファンアートといった二次創作物にも著作権はあるので、本来勝手には使えないのですが、「二次創作ガイドライン」があればVTuberもファンも安心です。

大手事務所のホロライブは二次創作ガイドラインで以下のように定めています。

二次創作に該当し、全般ガイドラインを遵守しているものであれば、皆様の創作活動について、当社より権利行使をすることはございません。 皆様の二次創作については、所属タレントが配信でサムネイルとしての利用や、SNS活動において取り上げたりすることがございますので、予めご了承ください。

そのほかにも、タレントが不快に感じる創作は禁止することや営利目的は禁止など条件をはじめ、切り抜きに関するガイドラインも定められているので、気になる方はご覧ください。

このように、VTuberキャラクターの二次創作ガイドラインを用意しておくことは、自身にとってもファンにとってもWin-Winの関係につながることもあります。

「この用途なら使っていいですよー」「悪意のあるのはダメですよー」とあれば、ファンも安心して布教でき違反している人を取り締まることも容易になります。

自身のチャンネルの説明欄やウェブサイトにガイドラインを明記しておくことは、著作権トラブルへの対策のひとつです

歌ってみた・カバー曲について

歌ってみたには、著作権と著作隣接権(原盤権)が大きく関係します

音楽の著作権は、作詞家・作曲家が持つもの。

一方で著作隣接権(原盤権)は、歌手や演奏者・レコード会社が持つ権利です。

歌ってみた動画を制作する際は、著作権だけでなく、著作隣接権にも注意しなければならないんです。

権利侵害することなく「歌ってみた」を投稿するには

まずは著作権について説明します。

多くの楽曲の著作権はJASRACやNetToneといった「著作権管理団体」に管理されています。

なので、権利を持った人全員に確認をとることなく、この団体の許可さえあれば使えるということです。

それに加え、YouTubeはこれらの団体と利用許諾契約を結んでいます。

つまりJASRACやNetToneに登録されている楽曲ならば、わざわざ許可をとることなく「歌ってみた」をYouTubeに投稿しても著作権侵害にはなりません

一方で、著作権だけでなく著作隣接権(原盤権)もクリアしなければなりません。

詩と曲の著作権のほかに、カラオケ音源の権利もクリアする。といったイメージです。

著作権管理団体では、著作隣接権までは管理していません。なので別途音源を用意する必要があるんです。

ここからは歌ってみたの音源を用意する方法を紹介していきます。

方法1:自分で音源を用意する

自分で楽器を演奏できる方や、専用のソフトウェアを使える方は自分で作ってしまうのも手です。

自分で演奏し、録音する。手間はかかりますがシンプルな方法です。

方法2:二次使用OKのカラオケ音源を使う

YouTubeなどに投稿されているカラオケ音源の中には、「歌ってみた」での使用を許可しているものもあります。

YouTube内で「曲名 カラオケ音源」で検索すればたくさん出てくるので調べてみましょう。

たとえば『カラオケ歌っちゃ王』が有名です。

https://www.youtube.com/channel/UC1tk9F5-MGXEq4LWnjmrtpA

使用にはクレジットの記載など条件があるものもあるので、利用規約には必ず目を通しましょう!

もしくは『ピアプロ』といった一部サイトでは、カラオケ音源をダウンロードできます。

もちろんすべて勝手に使っていいわけではなく、サイト運営や音源製作者の定めた規約にのっとって使う必要があります。

方法3:依頼して音源を作ってもらう

探しても音源が手に入らない!といった場合はオリジナルのカラオケ音源を作ってもらう方法があります。

『ココナラ』や『SKIMA』であればだれでも簡単に依頼できるのでおすすめ。

スキルを持ったクリエイターがたくさん登録しているサービスです。

ただし、制作を依頼する場合は、カラオケ音源の著作権に気を付けなければいけません。

「歌ってみた」で使うことを相談したうえで依頼することが大切です。

著作権は難しい…

現実として著作権問題は、実は侵害していたり侵害していても黙認されたり……。

グレーな部分もたくさんあります。

その分どこまでやっていいか法律上でもはっきりとしていないケースもあります。

だからこそ、ガイドラインを読むことや利用規約に従うことはしっかりと行いましょう。

この記事ではざっくりと概要をまとめましたが、それぞれの活動に沿って自身で調査することも大切です。

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この記事を書いた人

VTuberをはじめとしたライブ配信者のためのブログメディア。初心者向けの記事や便利なツールを用意しています。

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